日本国内・5th盤について紹介しましょう
ポリドール 35MM0099/100 (1981)
販売権がビクターからポリドールに移りました
アメリカでは1979年の末にキャプリコーン・レコードは破産宣告し、大きな借り入れをしていたポリグラムにキャプリコーン全ての版権が移りました。ということで日本では1981年からフィルモアもポリドール・レコードから発売されることになりました。
あれだけ馴染みが有った山羊さんマークは完全にジャケットやレーベルから姿を消し、米盤ではディッキーの足下にポリドールのロゴマークが入るようになりましたが、国内盤ではジャケットの裏側の片隅にひっそりと入っているだけでした。裏には¥3,500の表記あり。
3・センターレーベル
ポリドールに版権が移ったわけですから、センター・レーベルもポリドールになって当然ですが、これまた味気ないこと甚だしいです。ここまで変わってしまうと、重箱の隅をつつくこともないです。まあ、米盤の方がもっと悲しい変化を遂げるので、まだ日本盤の方がマシかもしれません。その話は米・ポリドール盤の項目で取り上げることにいたします。
4・曲目表示
どうしてか分かりませんが、裏ジャケットの曲順表から曲目の時間が消えています。オリジナルと比較してみましょう。下の画像がオリジナルです。
ちょっと見には文字を打ち直したようにも見えますが、検証しないと良くわからないので、例によって困ったときのフォトショップ、画像編集ソフトに取り込んで、重ね合わせてみたのが以下の画像です。
重ねて見れば一目瞭然で、曲目の部分がバッチリ重なります。ということで、これは打ち直し等ではなく、単純に時間の表示部分は削除し、SIDE ONE当の盤面表示は移動させた、ということが読み取れます。本当にフォトショップって便利なソフトです。
5・ジャケットの内側…なぜに消えた各曲目の時間表記
5・日本ならでは、ライナーノートのお話
ポリドールに版権が移動してもSJET-9565〜6以降ずっと引き継がれている「1975.5 吉成 伸幸」と署名の有る内容のままです。
6・音質評価です
正直言って、国内盤だしジェネレーションも随分と重ねてきているので、期待する方が無理だと思って試聴したのですが、これが意外や
意外、音質としては国内盤で一番いいできです。広がりもあり、従来もっこりしていた高域もちゃんと出て、シンバルの音も聞き取りやすいし、けっこうセンターにパワーのあるまとめ方をしていると思います。それにしてもこの時点でマスターが変わったのでしょうか。ワーナー、ビクター時代の音と一変してしまいました。しかも面白いことに、次のデジタル・リマスタリング盤より音のバランスが良く音圧もあります。もちろんすべて国内盤として、というエクスキューズが付きますが、良いまとめ方をしています。