Fillmore資料室

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Fillmore資料室

Allmanのこと、Duaneのこと、Fillmore Eastのこと、Capricornのこと、色々なことを教えてくれた資料の数々です。感謝、感謝です。

▼そんなに数は無いですが、それでもぼちぼちと集まってきました。

 
 日本でオールマンってどんな位置づけなのでしょう? デュアンってどんな存在なのでしょう? 時々はギター雑誌で表紙を飾ったりするけれど…。ま、それはそれとしてファンは同じような話、知っている話でも少し名前が出ているだけでうれしくなって買ってしまうものです。そんなわけで他の人には資料といえるかどうかは分かりませんが、個人的には大切な資料となった書籍や資料を逐次紹介して行きますね。

Midnight Riders: The Story of the Allman Brothers Band / 著 Scott Freeman (国内絶版) / 1997年発行

midnight rider.jpg  他にも同類の書があったのか、あるいは自分が知らなかっただけなのかは分かりませんが、再び再燃したオールマンに対する関心は当然のごとく書籍にも向かいました。まとまった書籍としては自分にとっての最初の一冊です。いつの頃かは忘れましたが、大阪ではないどこかのTOWER RECORDSで購入しました。結局オールマンってドラッグと裁判の日々だったのか…なんて読後感を当時は持ちましたが、今読み返すとまた違う感慨を持ちます。

The Complete Allman Brothers Band Discography
/ 著 Dean Raynolds / 2001年発行

DISCOGRAPHY.jpg  ありそうでなかったディスコグラフィです。自分が必要としたのはフィルモアの項目だけですが、デビューからメンバーのソロアルバム(最後が1998年のデレク・トラックス)までフォローしています。例によってすべてをカバーしているわけではないですが、あるだけでうれしい一冊です。僕は本人がeBay(有名な世界的オークションです)に出しているのを「Buy It Now」でポチッとしましたところ、サイン入りで送られてきました。購入されるとするなら、オールマンのオフィシャル・ホームページ「Hittin' The Note」の通販ページが一番簡単かな。

ROLLING STONE 1974年2月号
特集:1 The Allman Brothers Story キャメロン・クロウ
   2 "俺たちゃ南部の田舎者ョ" グローバー・ルイス

RR1974_2号.jpg  なかなか見つからず苦労しました。テュアン亡き後、『Brothers & Sisters』でAllmansが全米の頂点を登り詰めた時の特集です。Allman Brothers Storyを書いたのは当時16才で『ローリング・ストーン』誌の記者になったキャメロン・クロウ。ん? どこかで聞いたことがある名前だ、と思った人は映画好きかな。『初体験/リッジモント・ハイ』の作者で2000年には『あの頃ペニー・レインと』でアカデミー脚本賞を受賞した映画監督、まさにその人です。この当時これだけ踏み込んだ内容が国内で紹介されていたことを、当時高校生だった私は知りませんでした。ちなみにもう一本の記事は、アメリカではデュアンの死後すぐに掲載された有名なもの。

オールマン・ブラザーズ・バンドのすべて
/ 編著 伊藤銀次・村松邦男 / 1975年頃?発行 (後付に記述なし)

AABのすべて.jpg  「キャプリコーン・レコード」の広告が入っているところから、1975年後半の出版でしょうか。バンドの生い立ち、奏法研究、各種スコア、資料の4部構成となっていますが、当時の時代背景を考えるとかなり突っ込んだ内容になっています。というのも、編著者が当時シュガーベイブのギタリストだった松村邦男氏とシュガーベイブに在籍していたことのある伊藤銀次氏だったからではないでしょうか。当り前だけど、後の方に載っているお二人の写真も若い(笑)。そして当時が偲ばれるのは、スコアが全部手描きで写譜されているということ。もう職人さんのペンさばきが美しい。でも大変だったろうなあ、デュアンやディッキーのフレーズを書き起こすの。今なら当然TAB譜でしょうけど、手描きは味が有ります。読むの苦労するけど(笑)。

live at the Fillmore East
/ 著 Amalie R. Rothchild / 1999年発行

フィルモア写真集.jpg  アメリカ在住の友人が、僕がフィルモア好きなことを知ってプレゼントに送ってくれました。たまに洋書屋さんで見かけることもありますが、なにしろフィルモアはスーパースターたちが入れ替わり立ち代わりステージに上ったところなので、その写真も70年代のスター・オンパレードです。楽屋裏のZAPPA、リハーサルのJimi Hendrix、そしてフィルモア名物ライトショーの下で演奏するAllman! こういう写真を眺めながらレコードを聴くのも一興です。

デレク&ザ・ドミノス インサイド・ストーリー
/ 著 ジャン・レイド / 2007年発行

レイラの本.jpg  昨年(2007)出たばかりの本です。タイトル通り「レイラ」を軸としてクラプトンの当時の生活ぶり、また音楽に対するアプローチが描かれています。デュアンとの絡みの部分は「Midnight Riders」とだぶる部分が多く(おそらくはかなり参考にしている)デュアンファンとしては新鮮みは少ないですが、それでも当時のボビー・ホィットロックとの深いつながりなどは読んでいて楽しいです。後半にそのホイットロックのインタビューが載っていますが、これがこの本の中で個人的には一番面白かった!  ただ老眼の目には文字が小さいのがちょっと辛い(涙)。シンコーミュージックから¥1,900です。

SKYDOG : THE DUANE ALLMAN STORY
/ 著 Randy Poe / 2006年発行

sky dog.jpg  正直なことを言うと、全部読んでいません(笑)。というのも洋書ですからなかなか根気がいるのですよ。でもまあ、こういうのは関心・興味が原動力なので、たとえばフィルモアに出た前後なんて言うところは、やっぱり無理してでも読んでしまいます。
 おもえばデュアンの伝記なんてのがいまだに出るあたり(2006)、アメリカでも根強い人気があるのでしょう、うれしい限りです。僕はこの本はオールマンのオフィシャル・ホームページ「Hittin' The Note」の通販ページから購入しました。ところで最近話題のクラプトンの自叙伝にはデュアンの話は出てくるのかな? これは買わなきゃ!

月刊 レコード・コレクターズ 2006年9月号
特集:The Allman Brothers Band 1969-81

レココレallman.jpg  言わずと知れたレココレですが、表紙をこのジャケットが飾ったのは、この10年以上記憶にありません。こういうのは縁起物なので、とりあえず買いはしますがなかなかまじめに読むことは少ないです。ホームページで紹介するので久しぶりに読み返しましたが、やっぱり正確さに欠く記述(間違っているとまでは言いません)があったり、抜けている情報があったりで、うーん…なのですが、それでもこの手の特集にしてはFillmoreに関して結構ページが割かれているだけで満足としましょう。なんだかんだ言っていつもレココレにはお世話になっていますので、やっぱり感謝です。

月刊 レコード・コレクターズ 2007年3月号
特集:ATLANTIC RECORDS

レココレatlantic.jpg  残念ながら表紙にデュアンならびにオールマンの写真はありませんが、アトランティックのレーベル特集となると買わずにはいられません。この号の特集の白眉は冒頭のカラーページで5ページにも及ぶレーベルの解説と写真です。珍しくアカデミックかつ資料的にまとめられていて、フィルモアに関しては住所表記などで参考になりました。ところでお恥ずかしいことですが、このレーベルの変遷の記事をまとめられたのが、いつもCapricornレーペルに関して相談に乗っていただいてるBuzzyBeeさんだったとは! BuuzzyBeeさん、大変失礼しました!

月刊 レコード・コレクターズ 2000年8月号
特集:デレク&ザ・ドミノズ / いとしのレイラ

レココレレイラ.jpg  レイラの特集ですが、目的はもちろんデュアんです。例によってレイラの曲目解説は的外れ・勘違い・思い込み?のオンパレードですが、そんなことで目くじらたててはいけません(しかし曲目の解説って何のために必要なのでしょう?)。なぜならその後いろいろと当時の事実や裏話が発表されているからです。それはともかく、この号の読みどころは湯浅学氏による4ページにわたる南沙織についての記事でした。レイラの特集は凡庸なものでしたが、この「自覚的アイドル」と名付けられた南沙織考察のおかげでなんとか捨てられずに本棚に収まっているのもまた面白いです。

月刊 Guitar Magazine 1998年8月号
特集:DUANE ALLMAN

indigopassion0921-img453x600-1210434269g1998_8.jpg  昔々、高校生の頃にこんな雑誌があったら、毎月必死になって読んだことでしょう。ペラペラのPlayer誌がまだ楽器屋でしか売っていなかった時代です。ミュージックライフだって現役でした。それはともかく、デュアンが表紙なら買わねばなりません。しかし買ったからといって読むわけじゃない。いわゆるツン読ですね。今回久しぶりに読み返したら、なかなか充実していました。書かれていることはおなじみの話ですが、Midnight Riderもまだ出ていない頃の記事ですから、けっこう力を入れた特集だったことが分かります。それより今となっては写真が豊富なのがうれしいです。

月刊 Guitar Magazine 2003年8月号
特集:Slidin' Into Hearts

gm2003・8.jpg  スライドギター、ならびにスライドギタリスト特集です。表紙はクラプトンとデュアン、ということで必然的にレイラの特集が組まれています。ギターが中心なので上のレココレの特集より安心して読めます。それにしてもオープンチューニングや奏法、またタブ譜満載で、なんとも今の若いギタリストが得られる情報量というのは大したもんだなあとまたも感心。ちゃんとオールマンの元ネタを提供した(Statesboro Bluesのことね)Jesse Ed Davisも紹介されています。僕個人としてはRy Cooderが取り上げられていないのが残念ですが、ロックギタリストというくくりの編集意図が見えるので、まあいいかと。

月刊 Guitar Magazine 2005年3月号
特集:The Allman Brothers Band Macon Era

gm2005・3.jpg  ALLMANを中心としてはいますが、いわゆるサザンロックの特集と言う体裁をとっています。でもやっぱりALLMANネタ、ということはDUANEネタということになります。例によって奏法やタブ符満載で、微に入り細に入り紹介してくれています。表紙の写真も、その色合いもカッコいいです。
 これまた表紙を眺めるだけで、3年間中身を読むこともなくほとんどの時間は本棚にしまわれていましたが、こういう時が来るのを待っていたのでしょうね。ありがたいことにALLMANのホームタウンであるメイコンの街の地図や、彼らゆかりの地が紹介されています。これは本当にありがたい。いつか行くぞ! DUANEの墓参り! という気にさせてくれます。

eric clapton : THe biography of the world's greatest rock guitarist / 著 John Pidgeon / 1975年発行

クラプトン伝記.jpg  イギリスで1975年に出されたペーパーバックのクラプトンの伝記です。実は家内の本棚から出てきたものです。ウチの奥さんはロック少女だったのです(笑)。リアルタイムで買ったもののようです。
 ということで、出版された時期からも想像ができるように、デレク&ザ・ドミノス解散後、ヤク中で半ばリタイアしたような生活から461オーシャン・ブールバードで復活するところで話は終わっています。そういえば自分がクラプトンを聞き出した頃というのはレインボーコンサートの前ぐらいでした。
 今となっては伝記として読むには中途半端ですが、逆にそれが時代を思い出させます。といってもちゃんと読んだのはデュアンとの出会いとレイラに関する5〜6ページなので偉そうなことは言えません。今となっては多分絶版でしょうね(当然ですが)。

JIM MARSHALL : PROOF
/ 写真 Jim Marshall 序文 Joel Selvin / 2004年発行

jim_marshall.jpg  ロックアルバムのカバー写真やモンタレー・ポップフェス、そしてウッドストックなどの写真で有名なJim Marshall、と一般的には紹介されますが、僕にはFillmoreのジャケット写真のカメラマン以外の何者でもありません。At Fillmore Eastの魅力は、何と言ってもそのカバーフォトです。実はこの写真集、2004年に出ていたとのことですが、ここで取り上げられている写真が実はつい最近Playboy3月号で掲載されたものの原典でした。それを教えてくれたのがNJに住む友人のJさんです。ありがとうJさん! おかげでFillmoreの謎が一つ解けました! というのもこの写真の解説の中に、例のジャケットの左肩のタイトル文字についてのコメントが載せられていたのです。

月刊 レコード・コレクターズ 2006年4月号
特集:TOM DAWD & ATLANTIC RECORDS

レココレダウド&atlantic.jpg  メインの特集がナイアガラ・トライアングルだったので、うっかり見過ごしていました。大阪・梅田「古書のまち」にある紀伊国屋書店の音楽書籍のみの古書部門にたまたまあるのを通りがかりに見つけました。映画「トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男」の上映を記念しての特集企画のようです。そういえば、DVDになっていつでも買えるのを良いことに、まだこの映画も見ていないなあ。トム・ダウドがいなければ「レイラ」も「フィルモア」も世に出ていないわけで、ロックの恩人みたいな人な訳ですね。
 第二、第三特集のような扱いなので、裂かれているページ数は少ないですが、それでも途中のカラーページにはお決まりの「レイラ」と「フィルモア」のレーベル&ジャケット写真やカラフル・クリームのそれも載っていて、やっぱりこういう写真を見つけると、買わずにはいられないのがファンの性です。

月刊 レコード・コレクターズ 2014年10月号
特集:オールマン・ブラザーズ・バンド

レココレ10月号表紙.jpg  メインの特集が誰あろうポール・マッカートニー&ウイングスということで第二特集扱いでしたが、2014年8月に発売になった6枚組CDセット『1971 フィルモア・イースト・レコーディングス』発売に伴い、久々にオールマンの特集が組まれました。
 しかも今回はあろうことかその中の3項目・全14ページにわたり書かせて頂きました。
 書かせて頂いたのは、
6枚組で追体験する『フィルモア・イースト・ライヴ』完成への道程
ジャケットに仕掛けられた写真家ジム・マーシャルのユーモア
プレス工場、配給会社との関係からオリジナル盤のマトリクスを解明!
ジャケットの話オリジナル盤のマトリクスについてはこのホームページでの記載がベースとなっていますが、最初の『フィルモア・イースト・ライヴ』完成への道程の話は、今までの通説となっている音源の録音日の確定と、自分からの提案でプロデューサーのトム・ダウドが3日間・6ステージからどう取捨選択したかについてを柱にまとめました。執筆期間が短くしんどかった!

One Way Out: The Inside History of the Allman Brothers Band / 著 Alan Paul / 2014年発行

One Way Out.jpg  買っただけで斜め読みしかしていなかったのですが、左のレココレ10月号の特集執筆に当たり、あわててフィルモアでの演奏に関する部分、あるいはフィルモアのLPのジャケットに関連するところを、必死になって読み返しました。特にトム・ダウドのライブ・レコーディング時におけるメンバーとのやりとりとか、ジャケットの裏側に大写しされたローディーたちの発言は、単にローディーとは一言で片付けられないほどの絆を持った仲間ならではのものであり、裏話的なものも多くてのめり込むようにして読んでしまいました。
 しかし今年はこの本の他にも、デュアンの忘れ形見の娘であるGaladrielle Allman が書いた『Please Be with Me: A Song for My Father, Duane Allman』 が出たりと、うれしい限りです。ちなみにこの本はオールマンのオフィシャル・ホームページである「Hittin' The Note」の通販ページから購入しましたが、どうも今は日本のamazonで買った方が送料が安いみたいです。

月刊 BLUES & SOUL 2009年4月号
特集:恍惚のスライドギター

blues&soul.jpg デュアンが表紙に載っているだけで買わずにはいられないのですが、特集がスライドギターとあれば余計です。弾いているギターはデュアン・ファンにはおなじみのKalamazoo(カラマズー)。カラマズーというのは1930年代にギブソンのセカンドブランドとして販売されていたギターです。デュアンのアコースティック・ギターでのスライドが記事になっているのかと思いきや、中身はデュアンの音楽的経緯や、スライドを弾くようになった経緯、マッスルショールズ期の話などに終始していて、もちろん今時の人には新鮮な噺家もしれないけれど、古いファンには食い足りない感じ。紹介記事はどうしてもこうなるよね、と、レココレに書いた時の自分の立場と重ねてしまうのでありました。

月刊 Guitar Magazine 2010年3月号
特集:マッスルショールズ期のデュアン・オールマン

10_03GM.jpg  表紙がCharなので、うっかり見落としそうになりましたが、マッスルショールズ期のデュアンについて特別編で特集がありました。中で紹介されている写真が、まったく左のBLUES & SOUL誌と同じで(例のウィルソン・ピケットと並んで笑ってるのと、黒いピックガードのストラトでスライドを弾いているやつ)、記事も半分ぐらい被っていて既視感のようなものを感じるのですが、この時期の写真はこれぐらいしかないのかも知れません。
 しかし、この特集の後にマッスルショールズの職人集団、The Decoysの来日インタビュー記事があり、当然のように当時のデュアンのエピソーヂが! これは珍しいので資料室入りと相成りました。

Hittin' The Note 2000年 26号
特集:The Crawdaddy Intervew with … DUANE

HTN26/2000表紙.jpg  うっかり肝心の冊子を掲載するのを忘れていました。オールマンといえば『Hittin' The Note』を忘れてはいけません。もちろんオールマンを中心とした音楽雑誌ですから、オールマンの記事が載っているのは当り前ですが、しかしこの号はてんこもりです。
 まずは60〜70年代のアメリカのロック雑誌『The Crawdaddy Magazine』1970からデュアンへのインタビュー記事からの転載です。他にもクラプトンへのデュアンに関するインタビュー、2000年1月に飛行機事故で亡くなったジョー・ダン・ペティへの追悼記事などなど読みどころ満載で、オールマン・ファンには楽しめる一冊となっています。現在、Hittin' The NoteのホームページからPDFの電子ブックとして購入できます。

Hittin' The Note 2014年 82号
特集:The 1971 Fillmore East Recordings

HTN82/2014表紙.jpg  これもうっかりシリーズです。何がうっかりかというと、2014の『レコード・コレクターズ』10月号に『The 1971 Fillmore East Recordings』の記事を書くことになった時に、Hittin' The Noteのバックナンバーをチェックすることを忘れていたんです。
 ある時ふと思い立ってHittin' The NoteのHPをチェックしたとろ、やっぱりありました、『The 1971 Fillmore East Recordings』の製作プロデューサーへのインタビューが。ネタバレしたら面白くないので内容には触れませんが、結構読み応えがあります。こちらはまだバックナンバーがありますから、直接HPより購入することができます。それから広告が面白く、特に表3のBig Houseの広告は写真が嬉しいです。

Hittin' The Note 2013年 76号
特集:DUAN ALLMAN : SKYDOG RETROPECTIVE

HTN_76_web.tiff  うっかりと言えばこれもうっかりです。2013年の春にリリーススされてすぐ完売(年末に再リリース)となったCD7枚組の『Skydog: The Duane Allman Retrospective』の特集が組まれています。内容は製作に関わったDuaneの娘、Garadrielle AllmanとBill Levensonのインタビューで構成されています。
 内容とは関係のない話ですが、この号では「Retrospecvtive(回顧展・回顧録)」というタイトルが目次以外表紙に始まり徹頭徹尾「Retropective」になっています。しかも巻頭のこのCDの広告まで(笑)。ちなみに「Retropective」は辞書にも無いから完全に誤植なのでしょう。

オールマン・ブラザーズ・バンド・ベスト
/ バンド・スコア / 1990年発行 (シンコーミュージック)

ABBバンドスコア.jpg  今では山ほど出ているバンド・スコアですが、1990年というタイミングでこのスコア集が出たのはどうしてでしょう? 単純にシンコーミュージックのバンド・スコア・シリーズとしては外せなかったのでしょうね。『オールマン・ブラザーズ・バンドのすべて』から15年後の出版ですから、スコアも手描きではなくギターパートにはTAB踏(これは手描き)が付いています。一曲ごとのちょっとした解説も、なかなか的確でギター弾きには有り難い部分もあります。しかしバンド・スコアは譜面が細かいので老眼にはきついですね。もちろん購入目的は表紙のアウトテイクですが、聴きながら譜面を目で追うと、ほー、と思ったり、なるほどねーとなったり、楽しいです。

ROCK 1971年 4月号
特集:Duan Allman don't mess around.

ROCK_04_26_71.jpg  これは雑誌ではなくタブロイド判の新聞仕様です。この角度のDuaneの写真は珍しいですね。内容は今となっては他の書籍にも書かれていることが多い、DuannとGreggの子供の頃から音楽とどう付き合い、いかにしてギターを手にすることになり、兄弟でバンドを組み、またバンドメンバーと出会い、演奏しないときはどんな音楽を聴くか…と言うようなことが書かれています。
 ところで「Duane Allman don't mess around.」と言うタイトルですが、「doesn't」のところを「don't」というのが口語的表現と言う奴でしょうか。直訳すれば「デュアン・オールマンはふざけていない、おちゃらけていない」となりますが、英語力が無いので本当のところは分かりません。

Guitar Player 1999年 3月号
特集:Learn to Play Like Duane Allman

GUIT_Player_03_1999.jpg  いわゆるスライド特集で、デュアンだけでなく若き日のでレク・トラックスなんかも大きくページを割いて紹介されています。デュアンに関しての記事は「デュアンの弾き方に学ぼう」というタイトル通り、その特徴的なフレーズを採譜(出典のレコードも紹介されているので便利)しての解説に紙数が費やされているので、分かりやすいと言えば分かりやすいけど、ギター片手に英文訳しながらはやっぱりきついです。
 その他にも「レギュラーチューニングとオープンチューニングのどちらを選択するか」とか、当時発売されていた色んなスライド用のギターが紹介されていたりで、パラパラとページをめくっていても楽しいです。

A TRIBUTE TO THE FILLMORE 1971年 12月号
特集:なぜ音楽とユートピアの夢は終わることになったのか

Fillmore_12_1971.jpg  サンフランシスコのFillmore West、ニューヨークのFillmore East。その誕生から終焉までをまとめた写真集、といっていいのでしょうか。紙質は粗くお手軽な作りですが、そこに登場したミュージシャンをジャンル別・傾向別に分類して紹介してくれていて、そのジャンルの幅広さに改めて驚かされます。
 ところで我らがオールマンは最後の方にあまり大きく無い、画質の粗い写真で出てきますが、採り上げられたミュージシャンの写真のサイズは相当に編集者の好みが入っている感じです。ジャニスやジミヘンが大きいのは分かりますが、Fillmore East最後の日の写真ではビーチボーイズがほぼ1ページに対して、オールマンが4分の1以下ってちょっとあり得ない。

FILLMORE EAST PROGRAM Vol.111 No.31
1971年 6月25〜27日 Farewell Concert

Last day パンフ.jpg  Fillmore Westの最後のコンサートのプログラムが、まさかと思うほどの程度の良い状態で手に入りました。いわゆるデッドストックという奴ですね。表紙のデザインは有名ですから見たことのある方も多いでしょうが、これが意外とサイズが小さく縦21.5cm×横14cmなんです。スキャンした画像ではうまく色が出ていませんが、ちょうどギターのレスポールのゴールドトップを思わせる金色に、マホガニーバックのような焦げ茶の文字でゴージャスな印象です。
 当日の出演はオールマン、J.ガイルズバンド、アルバート・キングにライトショーのジョーズ・ライトが紹介されています。興味深いのはスタッフ全員の写真と名前に大きく紙面が割かれ、さらにこの手のバンフにつきものの広告が全てFillmore Eastの閉鎖を惜しむ内容だったことです。ひとつの時代が終わった悲しさがにじみ出ています。